朝ぼらけ 踊り子供が 夢の跡 しののめの 明けていづこに 消えるらむ ぬばたの 髪あさましく 乱れけり ももしきの 大宮人に 身をこがす 朝な夕なに髪ときて 香を衣に染めわたし 南蛮人にからみたる をとめの姿 絶えなば絶えね あしひきの 大和撫子 さがさむと たらちねの 母の面影 追ふをとこ わぴぬれば 音にきくもの 身にまとひ 夜もすがら からくれなひの 車寄す 朝な夕なに髪なでて 香を衣に染めわたし 車でをんな待ちわびる をとこの姿 絶えねば絶えぬ わが身夜にふる ながめせしまに わが身夜にふる ながめせしまに ちはやふる 神もこの世は あまたあり 久方の 月もむかしを しのぶらむ