手にしたものは ガラクタばかりであったが それ等は今も ポケットの中で燃えている 越して来た日々は 無価値なものであったか? 今朝も街は広がり続けている 辿り着く宛のないまま この人生は 風が吹く度に ヒラヒラと震えるばかり 見果てぬ夢 途切れ途切れ 破れかぶれ 泣きながら笑って 笑いながら泣いて 彼方此方から聞こえてくるのは 押し殺したような 溜息ばかりじゃないか 上辺をなぞって必死に燥いで消える 空騒ぎばかりじゃないか 雪と花弁と灰が降り積もって 風と交差点と背中が過ぎて行った 解ったようで解らなかった答えを 空に投げ返して 追いかけて走って 雲の切れ間から落ちて来たのは どうにでもなって 構わない明日じゃないか 昨日を捨てて 拾った今日じゃないのか? 心臓で刻む真昼の街 蹴飛ばし歩く午後の木漏れ日 ポケットの中でガラクタが 燃え続けている 無価値な時間が無価値に燃えている 暮れて尚、街は広がり続けている 花に嵐の四つ角 四つ角の先の三叉路 雲の切れ間から落ちて来たのは どうにでもなって 構わない明日じゃないか 昨日を捨てて 拾った今日じゃないのか? 呼吸で揺らす夜更けの街 行き交う影も途絶えし道 戯れ歩く月の明かり