黒いエナメルの爪と 寒気がする程 白い肌 愁いを湛えた長いまつ毛 いつか幸せになろうと 力強いあなたの声が 私を今日まで生かしてきた 石を投げるやつらの目は 正義 “で” キマって 考えなしに排除せよと宣う 私なんかより 余程バケモノ 闇の帳 身に纏って 燦然世界 火の鳥を殺し 明けない夜に音も立てず あなたを攫いに行くわ 「燃えろ燃えろ異端な奴と 庇う奴 全部 浄化の炎が包んでくれる」 “普通” じゃない事が 怖くて仕方ないのね あなたの手の柔らかい熱 想い出を永久に抱きしめるの 言えない言葉を 奥歯で噛みしめて 闇の帳 身に纏って 燦然世界 火の鳥を殺し 明けない夜に音も立てず あなたを攫いに行くわ 降り注ぐ雨や罵声 払いもせず この世界は二人だけの為に 魔法なんて 奇跡なんて 知らなければ 少なくとも幸せに死ねたのに 夜に紛れ 逢いに行くわ 眠るあなたのその窓の下に せめて最後に全部忘れさせてあげる 許されない呪いのくちづけ さようなら 涙のくちづけ