風光る四月 春 姉さんが嫁いだ たたみに手をつき それじゃお父さん やさしい言葉も 涙でちぎれた 僕にソロバンを 教えてくれた そのひとも とうとうよその人 黒いクルマに乗って 片手を小さく振って この道を走り去った 走って行った 透きとおる九月 秋 母さんと別れた ようやく僕にも 夢がもてたから 下宿をしようと 心に決めたよ 家を出る時に 気づいたものは 母さんのほつれ毛 銀の色 僕は笑って見せて 心配するなと言って この道を歩き出した 歩いて行った そして家族をのせて 月日は流れて消えて この道を僕は今も 歩いている 僕は今日 愛する人に 胸の想いを告げた