瞼を開ければ とりとめのない日々 瞼を開ければ どこにもいない君 浮かぶは泡沫 玉響の時 あどけない少女と 揺らめく名残花 寂れた景色が 滲まぬように 造花をあしらって 永久を願った 二人で水面を歩いて 紅掛の空に手を伸ばして 掴んだ雲の切れ端は 追憶の味がして吐き捨てたんだ 徒になぞっていく 邯鄲の夢に縛られ 僕は幸せだった 不自然にちっぽけな僕らの体 足元に浮かぶ逆さまの朧月 ひび割れた万華鏡 どうせ嘘なんでしょう? 花冷えの季節に そっと 影を落とした「ごめんね」 それから二人で手を繋いだんだ 朝焼けがやけにリアルだった ただ一つ潤む君の体温に縋る、祈る 霞の中 文目もわかず夢中で力を込めた 片時も残り香を離さないように 向こう岸の透き影が ふとフラッシュバックして 春紫苑の哂い声が ずっとこだましてるんだ ひび割れた万華鏡 どうせ嘘なんでしょう? 花冷えの季節に 花冷えの季節に ぽつり零した「ごめんね」 瞼を開ければ とりとめのない日々 瞼を開ければ どこにもいない君