閉店まぎわの店で アイスティー 氷はもう溶けて アルバイトの若いひとたち 談笑して たのしそう 冬は溶けて 少し残る 私はまだ それを見ている ハイヒールの音が この街の夜に歌を歌う ぼくはやっぱり ひとりでは生きていきたくはないよ (ひとりでは 生きていきたくはないのかな) 春がふくらんで 少し笑う 私はまだ それを見てみぬふり 気がついたら そこに黒い大きな穴がある 3月のブルースは風に飛ばされた サイレンの音が この街の子守唄です 僕は首を寝違えて 次の日にはぐっすり眠っている 春がふくらんで空が落ちてくる 私はまだ 土を食べられないでいる