……聞いてくれるか? 俺の人生でたった一度の家出の話。 小学校の時、母親が死んだ。 男四人の家庭は今にも壊れそうで、 俺は家族を支えるため、 ひたすら家事に明け暮れた。 だがある日、 弟が俺の作った夕飯を食べず、 母の料理が食べたいと言い出した。 自分の中で何かがプツンと切れた。 次の日河原に座り込んでいると 突然、目つきの悪い少年が 話しかけてきた。 その少年は那智と名乗り、自分も 家出をしていると言ってきた。 「いんじゃね? 好きなだけサボれば」 那智の言葉で俺は、 家出をしたものの 本気でサボりたいわけではない 自分がいることに気がついた。 俺は家事に没頭することで、 母を亡くした悲しみを 忘れようとしていたんだ。 好きなだけサボるのは もう少し後にしよう。 俺がそう言うと、 那智は「そん時は俺も 付き合ってやるよ」って、 歯を見せて笑った。 家に帰ると、深夜だというのに 親父も弟たちも寝ずに待っていた。 そのあと、夜食に作った味噌汁が 会心の出来で、 弟がお母さんの味だって言った。 その日から、 家に充満していた沈んだ雰囲気は 少しずつ薄まっていった。 ボーイフッド・コラージュ 飛び出した世界で見つけた ボーイフッド・コラージュ かけがえのないもの 忘れかけていた 家族の絆 思い出させてくれた 唯一無二の親友との出逢い 扉を開けて駆け出した 何かを変えたかったあの日の鼓動 ボーイフッド・コラージュ ボーイフッド・コラージュ