ふわりふわふわり 蛆蠅の蔓延り ひらりまたひらり 蝶や花や宵廻る 化粧い桜に紅を 愛染に酔い痴れ 黒く染む朱から 艶めき薫る麝香 塗ら裏と地を這うように なめくじり相舐め陰 深奥にて鳴き濡らせば 虧盈の澱 雑苦葉乱 花弁を広げ 蛇を呑み込み はぁ…と唸り肢体くねらせ 祇園精舎の鐘が鳴る 雑苦葉乱 嬌声を上げて 狂い狂り さぁ…と甘美 虚言吐けば 徒な舞の終幕 はらりはらはらり 春の孕み卯月 するりまたするり 月影に帯散らし 契り千切れし鼻緒 愛憎は五月雨 その眼に現し世 無様な有様 雑苦葉乱 花弁を広げ 蛇を呑み込み はぁ…と唸り肢体くねらせ 諸行無常と響く 雑苦葉乱 嬌声を上げて 狂い狂り さぁ…と甘美 虚言吐けば 徒な舞の終幕 指切りげんまん 嘘吐いたら 地獄楽まで… 眩く狂気の沙汰 雑苦葉乱 花弁を広げ 蛇を呑み込み はぁ…と唸り肢体くねらせ 沙羅双樹の華ひらく 悪鬼羅刹 叫声を上げて 切尖の弧 百花四散 麻具波肥 糜爛 さ乱れし雨霰 雑苦葉乱 御中一刺し 雑苦葉乱 眼球一刺し 雑苦葉乱 陰茎一刺し 雑苦葉乱 心臓一刺し 「お慕い申し上げます」