少し高い声 走り抜ける 待ち受けるよう抱き上げる両腕 大小ふたりの繋がる影 そっと見送り 歩き出した午後 駅前 せわしく 行き交う人 帰宅ラッシュどき それぞれ帰り着くだろう 買い過ぎたフルーツを 抱え僕も その中に紛れ込んでみた 笑い顔 似てくるんだね 並ぶ誰かで 再発見して 瞬きがシャッターになったよう またひとつ ほらストロボ 光る 小さなフォトフレーム 瞳に映る肖像 いつかの日、 ただ眺めていたその眩しさ 扉を開けたら今 賑やかなほど おかえり 息を止めて受け止めた 一粒も零せないもの これの名前だって 僕はもう知ってる 誰もいない時 いつもよりも リビングソファ 大きい気がして 躊躇って そのまま返す踵 一人では使い切れないから 真夜中に ふと目覚めて 理由ないまま 隣の部屋 暗がりの中で呼吸が 明日への地図みたいな響き 覗き込んでフォーカス 当たり前になりかけ なりきらない世界が 映り続けてるから 出来るだけ未来まで 真剣にピント合わせて キミと同じ瞬間に居座って いたいこのまま それは願いだって 僕はもう知ってる 小さなフォトフレーム 瞳に映る肖像 いつかの日、 ただ眺めていたその眩しさ 扉を開けたら今 賑やかなほど おかえり 息を止めて受け止めた 柔くてこそばゆい 遠くてあこがれで 一粒も零せないもの これが幸せって 僕らもう知ってる