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猫を見る 谷川俊太郎 灰色のソファに寝そべっている 私の好きな黒い猫が 物ぐさな動きで ゴムのように伸びをしたら その爪先は 思いがけず永遠にとどいている そうであるからには こいつを シベリアのツンドラに 放りだしてもいいような気がする 私のタマシイに いつまでも時は満ちないのに こいつのヒゲの先で 時は満ちる 私を待たずに