真夏のまるでサウナみたいな 酷く蒸し暑いデパートの倉庫 次から次へと運ばれてくる 段ボールを汗だくで積み上げる 手際の悪い中年の男 若い社員にガンガン怒鳴られ それでも舌打ち一つもせずに必死で 働いてる 話を聞けばあの男 昔はピアノで食っていて ウィーンだかドイツだかで 暮らしていた事もあるんだって それが今じゃこんなとこで働いて 落ちぶれたもんさ でもまだ夢を 捨てきれずにいつかまた あの場所に戻る気でいるらしい それを無様だと思うか それとも格好いいと思うか それは人それぞれ選んで来た 道の上に答えがある 意味がないものほど意味があり 価値がないものほど価値がある そんな生き方も悪くはないさ 君は一体どう思う? スウィートジェーン 地元鹿児島からひたすら電車を乗り 継いでこの街にたどり着いた ここで人生をやり直すんだ 家出同然の上京だった 親父はいつも暴力を振るい 母親は中学の頃出て行った 彼は小さい頃のトラウマのせいで 猜疑心のカタマリになった 仕事を変えても変えても上手く 回りに溶け込めず でも高卒なりに頭を使い働いて来た だけど現実は甘くなく彼は未だ 36歳のフリーター でもまだ絶対に地元には帰るまいと 今日も心に誓うのさ それを可哀想だと思うか それともなんてタフだと思うか それは人それぞれ選んでゆく 道の上に答えがある 意味がないものほど意味があり 価値がないものほど価値がある そんな生き方も悪くはないさ 君は一体どう思う? 今夜あの夢に 少しだけ近づいたんだ もしそれに触れられなくても 今はそれが嬉しいのさ 大切なものは 全部この胸の奥にだけあるんだよ それを知っていれば人は誰でも 自由になれるんだろう? スウィートジェーン