流れに逆らって なにかにぶつかって 色は変わっているけど 鱗の傷は 光を受けて 模様みたいに綺麗だった 言葉を持ってしまった 僕らの体は 鮮やかじゃないけど 重ねた傷も あの痛みさえも 僕にとっての模様だった 最近ではこの街も少し分かってきた カバンだとか優しさまでもが邪魔になるよ もう少し早く歩くために捨てたのに 忘れ物したような顔して立ち止まるのはなぜ 流れに飲まれて たどり着く先で 何が見えるのだろう 届かぬ光と もがきもせずに 身を委ねて 沈んでゆく 言葉をもってしまった 僕らの心は 雑草にまみれて でもその中でやっと見つけた 夜更けに咲く小さい花 いつも角を曲がるたびに 後ろ振り向くたびに 見えなくなるもの 会えなくなる人 それでも選んだ場所へと 痛みの中で歩いてきた 流れに逆らって なにかにぶつかって 色は変わっているけど 鱗の傷は 光を受けて 模様みたいに綺麗だった 言葉を持ってしまった 僕らの体は 鮮やかじゃないけど 重ねた傷も あの痛みさえも 僕にとっての模様になる 一つだけの模様になる