あの時の戰ひで あの山で おれもおまへも 拾つた命 撫でる鬣も いとしゆてならぬ けふも賴むぞ 大陸千里 寒くとも夜が明けりや 此の暑さ いくつ越えても 禿山ばかり 汗の軍服に 鼻押し当てゝ 水をねだれば 可愛ぢやないか 雨の夜も雪の夜も 彈の音 馬とごろ寝の 露營の枕 おまへ賴よりに 此こ處来たぞ 明日が大事だ よく寝ておくれ 長い顏やさし眼に そのどこに 勇士おとらぬ けなげな心 泣かぬ兵隊を おまへが泣かす 朝の入城 嘶いななけ高く 死んだとてはなさじと この腕で 手綱しつかと 握つた日から ともに進んだ 東亞の道に たてた日の丸 おまへの手柄