今日、抜け出して 一人を貪る 決まり切った理性に耳をふさぐ このまま逃げれたら 息を詰まらせて僕は泣いた 目元だけ模(かたど)って笑って 教室の隅で心が大渋滞 笑顔にも点数があるらしい そんな競争がここでは必要なようだ ああどうして笑っていられるものか どうしようもない情緒が 音を立てる 黒く淀む ずっとずっと 感傷、重いよ 教えて正解がうまくできないんだよ 瞳より落ちる果実 ねえどうして 隠さないといけないこと 囚われてもうオーバー 捨てたい 見られないように端でいないふり 教室では今日も知らない物語 推論だけじゃ限界があるらしい 端っこだけでも 見せ合えたならいいな 今日、抜け出して 一人を貪る 帰りのチャイムに耳を向ける 息を吸い込んで僕はつぶやいた 何度も書き直したこと 待って はみ出して遠くなって 泣きそうなこと聞いてくれますか 教えて 正解がうまくできないけど 欠けた状態でもほら立つの 明日は息ができるといいな 言葉までこみ上げて 取りやめた感情を 救い出すのだ 僕は祈った