アンズ卍100% 小谷茉美子 Koyoka 菊地桃子 メロネサリ
8bitサウンドとスクリーモが交錯し、ケロールヴォーカルとデスヴォイスが猛り狂う。独自のラウドなビートで、ひしめき合うロックアイドルシーンを掻き乱すダークホースが、8bitBRAIN(エイトビットブレイン)だ。
2018年3月結成。2019年10月に現在の5人体制となって、このたびメジャーデビューを果たす。ダンサブルで派手なサウンドをブチかましながら、刺激的で挑発的なヴォーカルが駆け抜ける。大胆に掛けられたケロールサウンドのエフェクトヴォーカルは無機質なようで、有機的な暴れっぷりを見せていく。Koyokaの伸びやかな声と菊地桃子の安定感が軸となり、メタルバンドのスクリーマーも顔負けの小谷茉美子が繰り出すけたたましい咆哮が、強烈なインパクトを与えるのである。そして、即戦力と言わんばかりに新加入した、振付師としても活動するメロネサリと、"IQ8億のカリスマ" アンズ卍100%。別のグループで活動しつつも旧知の仲だった2人。お互い、グループの活動がうまくいかず、いっそ2人で何かやろうと企んでいたところ、Koyokaにヘッドハンティングされる形で8bitBRAIN(エイトビットブレイン)に合流したのだ。
「ロックフェスに出たい」「ワールドツアーがしたい」「アニメのタイアップを取りたい」と皆が意気揚々と夢を語る中で、「真っ赤なランボルギーニを買いたいっ!」と答えたアンズ。なんだかものすごく "IQ8億" を感じる発言だ。「IQ8億だけど、頭の中は8bitなんですよ(笑)」(Koyoka)。そんな彼女のアイドルらしからぬ、ロックスター然とした佇まいは、バンド経験で培ってきたものである。ステージ上から放つエッジィなカリスマオーラと、MCならぬ "エモしい" 扇動はフロアの士気を掌握する。
「これまで、メジャーデビューするという話が目の前でなくなるという経験を何度もしてきたんです。メンバーが "女の子としての幸せを選びます" と言って突然やめてしまったり……」そう涙を浮かべながら語るサリ。彼女は、硬派にキメ込んだ振りが多く、とっつきにくいところもあったハチブレの振りを一新させた。「他と被らない、見ていて飽きない、そして予想外。すぐに真似できそうで、実はちゃんと練習しないと踊れない」という、新しく入れ直されたキャッチーな振りは、それを真似をするファン="フリコピ"を増加させる。
8bitBRAIN(エイトビットブレイン)のライヴに制約などない。フリコピも、ミックスも、コールも、モッシュも、ダイブも、みんなそれぞれの楽しみ方が入り乱れる。何でもアリな様相と、ミクスチャーなサウンドとハイテンションなパフォーマンスが、アイドルファンのみならずロックファンをも巻き込んでいく。
「メジャーは目標にあるものだったけど、そこに届くのかわからないままやっていた感もありました。それが、この5人になってひとつの目標に辿りつけました」(菊地桃子)
「今までやってきたことを形として、ファンに見せられることが嬉しいし、これでまた新しいスタートを切れるんだなって」(Koyoka)
Koyoka、桃子、茉美子の3人が作ってきたものに、酸いも甘いも噛み分けてきた、サリとアンズの加入。それぞれの悔しさを希望へと変えながら、毎月20本以上のライブをこなしてきた。そのパフォーマンスは屈強なものとなり、今ここに最強の5人がメジャーシーンへ殴り込みをかけようとしている。
ライター 冬将軍
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