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The Strypes

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バイオグラフィ

ロス・ファレリー (Ross Farrelly) – Lead Vocals/Harmonica ジョシュ・マクローリー (Josh McClorey) – Lead Guitar/Vocals ピート・オハンロン (Pete O’Hanlon) – Bass Guitar/Harmonica エヴァン・ウォルシュ (Evan Walsh) – Drums アイルランド出身、2011年に結成された4ピースのロックンロール・バンド。ドクター・フィールグッド、チャック・ベリー、ボ・ディドリー、ヤードバーズ、ザ・ローリング・ストーンズらから影響を受けたサウンドとライヴで英NME誌の”いま一番見たいバンド”の1位に選出され、地元アイルランド、UK、ヨーロッパで精力的にライヴ活動を行っていたところ、ジェフ・ベック、ポール・ウェラー、エルトン・ジョンらから大絶賛を浴び、注目が集まる中2013年3月シングル「Blue Collar Jane」でデビュー。 日本では4月10日に『ブルー・カラー・ジェーン-日本デビューEP』がリリース、初来日公演となった4月24日の渋谷クラブクアトロ公演はEPリリース前に即完売。来日時には多くのメディアに取り上げられ、その実力を日本のファンに強く印象付けた。9月11日発売のデビュー・アルバム『スナップショット』は全英5位、日本でも大ヒットし、多くの日本のミュージシャンからも圧倒的な支持をいただきました。10月の日本ツアー(東阪名福)は追加公演も含めすべて完売。日本ツアー後は、アークティック・モンキーズのUKアリーナ&ヨーロッパ・ツアーのサポート・アクトを務めた。 2014年4月には新曲と日本のライヴ音源を収録したEP『ハード・トゥ・セイ・ノー EP』リリース、7月にはフジロック・フェスティバルに出演。 2015年5月アイルランドのスレーン・キャッスルで開催されたフー・ファイターズの大型屋外ライヴのサポート・アクトを務めた。ギターのジョシュはポール・ウェラーの2015年のアルバム『サターンズ・パターン』に1曲スライド・ギターで参加。7月15日セカンド・アルバム『リトル・ヴィクトリーズ』がリリース、翌日の渋谷クラブクアトロ公演は完売。この日の音源と映像を収録したアルバム『ライヴ・イン・トーキョー 2015』が11月4日リリース、11月8日から7都市8公演(東阪名札福広仙)の日本ツアーを行った。 2017年3月、母国アイルランド・ツアーで新曲を披露、6月16日サード・アルバム『スピッティング・イメージ』がリリース。ジョシュはポール・ウェラーの新作『ア・カインド・レボリューション』(2017)に再び1曲参加。7月フジロック・フェスティバルに2回目の出演。 (バイオグラフィ2015) ザ・ストライプスとは一体何なのか、それは言わずと知れている。間違いなく、あなたは知っているはずだ。歩けるようになったのとほぼ同じ頃からガレージ・ブルースを弾き鳴らしてきた、アイルランド共和国出身のティーンエイジャー4人組。 2時間続きの地理の授業を抜け出してはライヴのステージに立ち、1965年頃のロンドンの名物クラブ<バッグ・オネイルズ>を髣髴とさせるカバー曲集セットをサクっと演奏して、R&Bのお祭り騒ぎをぶちかましていた仲間達。モヘア生地スーツに、むせび泣くハーモニカ、そしてパンキッシュなフリークビート。 但しもちろん、それが本当のザ・ストライプスの本質ではないということを除いて、だ。全くもってそうではないし、最新アルバム『リトル・ヴィクトリーズ』(原題:Little Victories)を聴けば、何がどう違うのかを証明する12の理由が分かる。 「そういう誤解が、僕らにはずっと付きまとっていたんだよね」と、ロンドン西部にあるホテルの椅子に身をすべらせながら、ドラマーのエヴァン・ウォルシュ(Evan Walsh)が語る。「そういうものに僕らが夢中だったり、影響を受けたりしたのは間違いない。けど、僕らはまるで、映画『ハード・デイズ・ナイト』(旧邦題:ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!)から飛び出してきた4人みたいに評されていたんだ。実際の僕らはもっと、エルヴィス・コステロとか、ドクター・フィールグッドとか、パブ・ロックの系統を受け継いでいたのにね」。 「僕らのギグに実際に足を運んでいた人なら、そんなことは言わなかったはずだよ」と付け加えるのは、巻き毛のベーシスト、ピート・オハンロン(Pete O’Hanlon)だ。「バンドの写真を1枚見て、『ああ、どういう連中なのか一目瞭然だ……』っていうのは簡単だもんな」。 しかし、ザ・ストライプスについてあなたがこれまで耳にしてきた話の中には、真実も幾つか含まれている。そう、このバンド —— ウォルシュ、オハンロン、ギタリストのジョシュ・マクローリー(Josh McClorey)と、ヴォーカルのロス・ファレリー(Ross Farrelly) —— は、ティーンエイジャー(※13〜19歳)にもならないうちから一緒に音楽を始め、アイルランド中を精力的にライヴして回り、訪れたどの土地でもすぐに町一番の人気アクトとなった。そう、彼らは2012年、爆竹が詰まった缶詰のように英国に渡り、カミソリの刃のように切れ味鋭いフィールグッド調ロックと唸り声を上げるリズム&ブルースとを融合して新たに再構築した凶暴なまでのサウンドで、名前を挙げられる限りのあらゆる共演バンドをステージで圧倒してきた。そう、彼らのデビュー・アルバム『スナップショット』(原題:Snapshot)は、ローリング・ストーンズや、ヤードバーズ、ドクター・フィールグッド、ザ・ジャムらのデビュー作と並び称されるに相応しい作品だった。そう、その通り、これらの話は真実である。 だがその一方、有り余るほど元気一杯な18歳にして、イギリス諸島(※英国、アイルランド、及び隣接の島々)における新人バンドの頂点に立ったことの一番の醍醐味と言えば、それがもたらす冒険の感覚ではないだろうか? シェイクスピアの台詞を借りれば、「この世は君達の思うまま」。OK、それはもう成し遂げた。では、その次は? 続いて彼らが世に送り出したアルバムは、前作『スナップショット』の粗削りなパワーを燃料にした、21世紀型の激烈ロックンロール・ハイブリッド作である。 ダーティーなベース・グルーヴを効かせた「ゲット・イントゥ・イット」や、アブサンの染みついたサイケデリック・ワルツ「(アイ・ウォナ・ビー・ユア)エヴリデイ」から、アルバム本編を締めくくる、喜びと切迫感に満ちたニュー・ウェイヴ調の「スカムバッグ・シティー」まで、本作は、2年前には想像もできなかったほどの幅広い領域を網羅している千姿万態のアルバムだ。『リトル・ヴィクトリーズ』という車のボンネットを開けてみれば、ヘヴィ・メタルさながらの轟くツイン・リフ(「アイ・ニード・トゥ・ビー・ユア・オンリー」)や、疾走するパンク・ポップ(「ベスト・マン」)、キンクスばりの観察眼(「クルーエル・ブルネット」)、そして心地良いくらいに薄汚れたスワンプ・ロック(「ステイタス・アップデート」)が、刺激的な唸りを上げている。 以前ボ・ディドリーやニック・ロウの作品から影響を受けていたのと同じように、今回はアークティック・モンキーズやジョージ・クリントンらにも触発された彼ら。時折マクローリーが、自分のノート・パソコンで作って持ち込んだデモを、バンドが完全に別物に作り替えることもあった。またある場合には、ベース・リフやドラム・ループを元にしたり、あるいは長年取り組んでいた別々の曲を、全く新しいアイディアを生み出すために作り直して繋ぎ合わせたものから、曲が誕生したこともあった。今回のアルバムは本質的に、放課後に古いブルース曲を練習していた時代からすれば、遥か遠い所にまで到達している。 「音楽に対して、『これしかやっちゃ駄目、あれしかやっちゃ駄目』っていう厳格な純粋主義者的姿勢で臨むのはよそう、というのが今回の狙いだったんだ」とウォルシュ。「僕らはそういう風に考えてはいなかった。好きな音楽への愛情を自分達なりに表現するのが大事なんであって、恭順することが重要なんじゃない。だって人は、自分独自のものを作り上げなくてはならないんだから」。 言うまでもなく今回のアルバムは、彼らがデビュー作から輝かしい飛躍を遂げた証となっている。そのことをバンドに説明すると、彼らは当惑したような表情を浮かべた。「僕らは成長したんだよ、音楽的にね」と、事もなげに淡々と語るマクローリー。「ただの進化さ。僕らが12、3歳の頃に聴いていたものと、今聴いているものを比べるのと似てる。違って当然だよ」。 違っているのは間違いない。だが同時に本作は、この4人がなぜこれほどまでに素晴らしいバンドであるのか、その核心をも突いている。本当のザ・ストライプスと出会う覚悟をせよ。
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