「天は二物を与えず」ということわざがあるけれど――彼女の場合はそれがあてはまらない。
1963年生まれで、83年のミス・アメリカ(黒人女性として初めて受賞するも、ペントハウス誌でのヌード発覚により後に剥奪)に輝いたヴァネッサ・ウィリアムスは、"美貌"と"美声"の両方を手にいれているのだから。
その透明度の高いヴォーカルをもって、87年にアルバム『ライト・スタッフ』でデビューを飾った彼女は、R&Bを基調としたポップ感溢れるサウンドを展開。ムーディなスロー・バラード「ドリーミン」で聴かせるしっとりした歌声は、耳に心地よい刺激を与えた。また、「ランニング・バック・トゥ・ユー」に代表される、ダンス・チューンでみせるヴォーカルの躍動的な一面も見逃せない。そのルックスの美しさゆえに、しばし誤解されがちであるが、彼女のアーティストとしての本質と人気の根底には、揺るぎのない実力:ヴォーカリストとしての表現力と説得力が、しっかりと存在しているのである。
セカンド・アルバム『コンフォート・ゾーン』以降の彼女の世界的な活躍は、いまさら多くを語るまでもないであろう。 主な所では、最大のヒット曲でもある全米NO.1ソングのメガ・ヒット「セイヴ・ザ・ベスト・フォー・ラスト」を始め、ブライアン・マックナイトとのデュエットで全米最高3位を記録した「ラヴ・イズ」(サントラ『ビバリーヒルズ青春白書』収録)、TBS系TVドラマ「協奏曲」主題歌:「アルフィー」等、数多くのヒット曲を持っている。
音楽界での成功のみならず、TV/映画/ミュージカルといったショウビズ界全般で大きな活躍を見せるヴァネッサ。
神は彼女に"才能"と”美貌”の両方を与えた。
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