汝が母は何処に。
人みな母より生まれ出づるに
さも母なく母に捨てられたる子のごとく。
汝この世にひとりのぽっと出にあらず。
されば母の子宮に帰るごとく
汝が血をたどり
さかのぼりて汝の生いたち来たる根をさぐれ。
根より流る幾千万の命その血脈々と汝の内に流る。
それ即ち汝が魂の系譜なり。
汝が名は書き記されたり。
汝が肩に襷は掛けられたり。
戦に敗けて滅ぼされ
吾が地 吾が民 吾が心の奪われし幾数十年。
人みなその奪われしものの何たるかを知らず。
知らざるが故の亡びの道ぞ
今ひたすらこれを転げ落ちるばかりなり。
しかるに人なおこれを知らず。
この地この民この心の侵されんとする時
吾らが命より呼ばれ出づるは荒魂なり。
和魂nigitama荒魂aratamaは二にして二にあらず。
二にして一つの神なびの心なり。
一つに和して吾らが心─大和心のカタチなり。
旧弊を廃して刷新するは荒魂の心なり。
汝生きて生きながらにして神とならせたまへ。
神々相和して並び立ちたまへ。─荒魂の勇み立ちて戦う時ぞ。今。
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