その意味深な詩は、日常を何事もなく過ごせれば、それに、こしたことはないと思っている生命たちを、苛立たさせたのだった。
平均的な人間関係、1-1の重なりあいこそを重要視するひとたちにとって、Rockのいうこと、やること、そして「成してしまうかもしれないこと」は、これまでの己らの生き方を冒涜するように思えた。
だから、Rockは殺された。いや、あるいは、消えた。
そのときに、ぼくたちは生まれていなかったし、そのときのことをおぼえているひとたちも、あまりにかなしい終わりを視てしまったせいか、口を閉ざしている。
そうやって、Rockの生き様は、語られなくなっていった。
ぼくたちの、生活から、人生から、歴史から……そして目の前から、視えなくなった。
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