クラッシック音楽には馴染みのない方も、何となく聞いたことがある作品のプレイリストです。今回は本シリーズ7に引き続き、ヴァイオリン協奏曲を紹介します。どれも素晴らしい作品ですが、自分のお気に入りの曲&楽章をピックアップしました。
#1.2 アントニオ・ヴィヴァルディ作曲 ヴァイオリン協奏曲作品8 第1曲「春」第1楽章、第4曲「冬」第2楽章
ヴィヴァルディの「四季」は、もともとヴァイオリン協奏曲集「和声とインベンションの試み」の8つの作品のうち、第1曲から第4曲を「春、夏、秋、冬」とした総称。各曲はそれぞれ3楽章の構成となっており、各楽章にはそれぞれの情景を表しているソネット(14行からなる定型詩)が付されている。これらの詩を読みながら曲をお聞きください。
春第1楽章のソネット:
「春が来た。小鳥たちは陽気な声でお祝いをしている。小川がせせらぎ,泉はやさしくこんこんと湧き出る。黒い雲が空を覆い、春を告げる雷が鳴り響く。嵐は去り、小鳥たちはまた甲高い声で歌う。」 高音のバイオリンが鳥の歌い上げる声や、雷の音を表現している。
冬第2楽章のソネット:
「満ち足りた静かな日々を、暖炉の前で過ごしている。窓の外では雨や雪がおだやかに降りしきっている」弦楽器のピチカートが雨が跳ねる音を表現している。
#3 ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲 ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV1042 第1楽章
大バッハが残した3曲の中では#6,7と共に有名で演奏頻度の高い曲。荘厳な教会音楽を多く作曲しているバッハにしてはとても優しい印象を受ける。フランス風のロンド形式のように、勢いよく跳ね上がるような主題がとても爽やかで優雅。
#4 ヨハネス・ブラームス作曲 ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77 第3楽章
メンデルスゾーン、ベートーヴェンと並び3大(またはチャイコフスキーも含め4大)ヴァイオリン協奏曲と称されるものの1つ。主題や構成など、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の影響を強く受けている。後年、フィンランドの作曲家シベリウスは、この曲に衝撃を受け、自作のヴァイオリン協奏曲を全面改訂した。
#5 ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲 ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216 第1楽章
モーツァルトは全部でヴァイオリン協奏曲を5曲作っているが、3~5番は特に名作とされており、この3番はその中でも最も評価の高い曲、と言われている。「シュトラスブルク」というあだ名が付けられていることでも有名。物理学者アインシュタインは前作の第2番を酷評していたが、この3番については「モーツァルトの創造に奇跡があるとしたら、このコンチェルトの成立こそそれである」と賞賛したとのこと。
#6,7 ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲 2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調 BWM1043 第1,2楽章
バロック時代のヴァイオリン音楽の一大作品として評価が高く、また短調作品でバッハの厳格な形式を感じさせることから演奏の機会が多い。一般的にバッハの「ドッペルコンチェルト」と呼ばれている。第1楽章は日本のヴァイオリン教則本として有名な「鈴木慎一メソッド」第4巻で収載され、バイオリン教室の生徒さんにはお馴染みの曲となっている(自分もこの曲を練習していました)。第2楽章はとにかくその美しい旋律が特徴で、多くのヴァイオリニストが好んで演奏しており、You tube等の動画配信数も多い。
#8 ニコロ・パガニーニ作曲 ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調作品7 第3楽章 ラ・カンパネラ
パガニーニはその卓越した演奏技術を「悪魔に魂を売り渡してその技術を手に入れた」と評された天才ヴァイオリニスト&作曲家。その彼の作品の中でも特に良く知られている曲。後年フランツ・リストがこの曲を基にピアノ曲の「ラ・カンパネラ」を編曲しており、日本ではフジコ・ヘミングの演奏で有名。
#9 アントニオ・ヴィヴァルディ作曲 調和の霊感第6番イ短調 ヴァイオリン協奏曲第6番第1楽章
この曲は古典的な独奏楽器と合奏のための協奏曲の中で最も古い。#6と同様、ヴァイオリンの教則本にもよく掲載され、基本的な練習にも使用されている曲。ヴァイオリン教室の生徒さんにはお馴染みの曲。
2024.11.5 #1 リスト曲配信停止のため、別演奏の同曲に差し替え
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