Tokyo Nocturne

目覚めると街中で寝ていた。お酒を飲んだ訳でもないし、目眩で倒れた記憶もない。周囲を見ると商店街のアーケードの中で静かだった。まわりは見渡す限り人人人々が倒れていた。慌てて隣で倒れている人に駆け寄り声をかけ、体を揺らすが血の気が無く冷たかった。まわりの人達も死んでいた。歩いても歩いても死人だらけだった。動物も死んでいる。何故自分は生き残ったのかと思いながらさ迷っているとTVがついていてニュースをやっている。緊急速報で潮鳴市内で原因不明の大量死亡事件が発生しており、救急に駆けつけた医師や看護婦も現場につくと倒れて死んでおり誰も現場に入れない状況、との事。とにかく誰かに助けてほしくてTVの実況でやっていた地下鉄で2駅先の大通りに行こうとするが地下鉄も動いていなかった。自転車に乗って目的地に行くが生きている者はいなかった。TVは危険立ち入り地区の規制線が移動している事を伝え、住民は家に急いで帰りニュースの避難情報と市の避難勧告に従い動くことを繰り返し伝えていた。ふとTVを見ると地図の規制線の円形図が自分の移動に沿って動いていた。その時、自分がこの大量死亡事故の原因ではないかという思いが心の中に過った。しかし、それを誰に伝えてそれをどう信じてもらうか分からなかった。握っていた携帯をバックに戻した。