むー の《センス･オブ･ワンダー》才能の塊！マイケル・クライトン Soundtrack《本命盤》

小説家サウンドトラックシリーズ 第７弾！ 人が超えてはいけない一線を超えたら、一体 何が起きるのか？…… そんなサジェスチョンに心震わせる、稀代のストーリーテラー、 作家、監督、脚本家、そして医学博士号も持つ《才人》マイケル・クライトン の特集です。 ① 『ウエスト･ワールド』(73年)…… 砂漠の巨大遊園地「デロス」。そこは、西部開拓時代、帝政ローマ時代、中世ヨーロッパ時代の３つのテーマパークがあり、そこでは自分の欲望、衝動を叶えることが出来る。 相手は人間そっくりのロボット。安全に遊べるはずだったのに…… 主演は、今やジョシュ・ブローリンの親父として知られる ジェームズ・ブローリンと、『マネー･ピット』(86年)、『恋する人魚たち』(90年)などの映画で監督を務めた《才人》リチャード・ベンジャミン。 そして、主人公たちを追いつめる《暴走ロボットガンマン》に、『荒野の七人』のユル・ブリンナー。 マイケル・クライトン 劇場映画初監督で、原作･脚本も担当。 今観ると、古臭い感じのするシーンが多いけど、そのテーマは、正に今日的。 2016年にJ・J・エイブラムス製作で、タイム・ワーナー所有のケーブルテレビ HBO でTVシリーズ化。それが ③ 『ウエストワールド』(16年)…… 話の骨格は映画版と一緒。AI 搭載と、今風になり、『ブレードランナー』のレプリカントのように、アイデンティティに悩むらしい。 面白そうだけど「スターチャンネル」入ってないんだよね 😅 season ２ は、《ショーグン･ワールド》が描かれ、真田広之、菊地凛子、TAO、祐真キキ と、海外組オールスターが出てるらしい。観たいな～。 ② 『コーマ』(78年)…… 原作は『アウトブレイク-感染』のロビン･クック。マイケル・クライトンは、脚本と監督。 簡単な手術の患者なのに、何故か昏睡状態に……どこに原因があるのか？……疑念を感じた女医 ( ジュヌヴィエーヴ･ビュジョルド )が真相にたどり着く... 禁断の部屋に行くと、昏睡状態に陥ってる多数の患者が、ワイヤーで平行に吊るされてる衝撃的な場面は、ポスター等でキーアートになってます。 音楽は、ジェリー・ゴールドスミス御大。ブレイク前のマイケル・ダグラスも出ています。 ④ 『ツイスター』(96年)…… スティーヴン・スピルバーグ 製作総指揮、監督 ヤン・デ・ボン。 マイケル・クライトンは、製作、脚本。 才能ある御三方が揃った割には、...う～ん...だったかな... ストームチェイサーの夫婦 ( ビル・パクストンとヘレン・ハント ) が、巨大竜巻に挑む…… 『ツイスター』映画化については、数年前に遡ります。 90年代にハリウッド版『ゴジラ』の製作の話が上がった時、監督に抜擢されたのが 『ダイ・ハード』等の撮影監督から監督になった ヤン・デ・ボン でした。 ヤン・デ・ボンは CGではなく、着ぐるみでのゴジラを主張。主演クラスに、自身が撮影監督を務めた『ブラック・レイン』で親しくなった 高倉健 に依頼。 ロサンゼルスでテスト撮影も行いました。……高倉健版の『ゴジラ』……観たかった～…… ゴジラ･デザインに『ジュラシックパーク』『ターミネーター』の スタン･ウィンストン。 しかし、ゴジラ愛溢れるヤン・デ・ボンのこだわりは、精巧なミニチュアと、やり直しが効かない破壊描写に、スタジオ側がコストとリスクを懸念。ヤン・デ・ボンは、降板となりました。 ( 以後はローランド・エメリッヒ篇に ) ヤン・デ・ボンは、この『ゴジラ』案を《竜巻》に変えて、何とか自分流の怪獣映画に出来ないかと、マイケル・クライトンに初稿を持って行き、『ツイスター』として脚本にしてもらいました。 つまり、『ツイスター』は ヤン・デ・ボン版『ゴジラ』なのです。 日本の『ゴジラ2000 ミレニアム』(99年) に、ゴジラ予知ネットワークの主人公が出てきますが、まんま《ゴジラチェイサー》。 ハリウッド版『ゴジラ』の脚本は、当然 東宝にも脚本は行ってるだろうから、良く言えばオマージュですかね。 ⑤ 『13 ウォリアーズ』(99年)…… マイケル・クライトンの1976年の作品『北人伝説』を『ダイ・ハード』『プレデター』の ジョン・マクティアナン監督で映画化。 1000年前の北欧を舞台に、国を追われた詩人 ( アントニオ・バンデラス ) が、辺境の地で 13 人の勇者の一人に選ばれ、襲い来る《食人族》と闘う... 製作費 １億6000万＄ 😵 なかなかの高額 。 ロケ地探しに２年を費やすなど上手く進まず、途中 ジョン・マクティアナン監督が降板、ノンクレジットで マイケル・クライトン が後始末をする事に。 結局 アメリカで3269万＄、世界トータル6169万＄ という製作費のほぼ１/３位の大失敗。 コケた映画の監督は、肩身の狭いもの... だからと言うわけではないけど、ジョン・マクティアナン監督は2006年、自身が監督した『ローラーボール』(01年) のプロデューサーに、探偵を使って盗聴した件で、FBI に虚偽の証言をしたとして、４ヶ月の禁固刑、罰金、２年間の保護観察処分を受けました。 2003年の『閉ざされた森』以来 監督していません ⤵︎ ⑥ 『タイムライン』(03年)…… 『スーパーマン』『リーサル・ウェポン』のリチャード・ドナー 監督作品。 タイムスリップした教授を救う為、考古学専攻の若者たちが 14世紀のフランスに旅立ち、英仏百年戦争に巻き込まれる…… 主演は『ワイルド・スピード』シリーズの 故 ポール・ウォーカー。 8000万＄の製作費で、世界興収 4393万＄って なかなかのコケっぷり 😵 ⑦ 『ジュラシック・パーク』(93年)…… もはや説明不要。 空前絶後の～！ 超絶怒涛のSF映画～！ シネフィルからイチゲンさんまで、全ての観客に愛された映画～！ 全世界興行収入は当時１位 ９億1469万＄の大大ヒット！ 1990年に出版された マイケル・クライトンの『ジュラシック･パーク』は、映画会社争奪戦の末、もともと原作者希望のスピルバーグのアンブリン・エンターテインメントに。 『ジュラシック･パーク』は CG で初めて生物を描いた映画作品。それは、白黒映画からカラー映画になった以来の《映画の革命》と言われてます。 『ジュラシック･パーク』を受けたスピルバーグには、片付けなければならない『フック』の撮影がありました。 その間、ビジュアル･エフェクトのデニス・ミューレンと ILM は、ロバート・ゼメキスの『永遠に美しく...』(92年) で CG 恐竜のテストに、一回転する人間の首の質感などに成功し、生物を CG で描く問題を解決。 走ってくる T-REX の引きの絵は CG 、寄りの絵はアニマトロニクスと使い分けて撮影しました。 この CG 撮影で、多くのスペシャル･エフェクトマンが、失業を意識したそうです。 しかし、『ジュラシック･パーク』のCG 恐竜は約 60 カットに過ぎず、2015年 の『ジュラシック･ワールド』だと 1000 カットは使われているそうです。 技術進歩と功罪を描いた マイケル・クライトンから生まれた『ジュラシック･パーク』の CG描写。 今、逆に CG を最小限にして、本物の迫力を追求する クリストファー・ノーランや、トム・クルーズ 等の《実際やる派》が出てきたのも、一種の揺り戻しですね。 ⑧ 『スフィア』(98年)…… 『レインマン』(88年) のバリー･レヴィンソン監督、主演は ダスティン・ホフマン、シャロン・ストーン、サミュエル・L・ジャクソン 。 1987年に出版された、マイケル・クライトンのSF 小説『スフィア-球体-』の映画化。 政府の要請で、300年前に海底に沈んだとされる 異星人の宇宙船の探査をする学者に襲いかかる、想像を絶する恐怖…… なんか話だけ聞いてると、ジェームズ・キャメロンの『アビス』とか、タルコフスキーの『ソラリス』を思い浮かべてしまうけど、結構 面白かった記憶が... しかし、製作費8000万＄に対し、3702万＄の興行収入というコケっぷり。 ( Box Office Mojo だと、ドメスティック･レコードってなってるから、アメリカ国内のみの収入か...？) マイケル・クライトン ムービーは、当たり外れが激しいね。つか、ハズレが多い 😩 ⤵︎