久々にお届けする、《触発される音楽たち》第17弾!
70年代終わりから、80年の始まりに携わる《音楽界のミッシングリンク》についての《触発》です。
①②
『パープルタウン 〜You Oughta Know By Now〜』by 八神純子(80年)
『ロンリーガイ』原題『You Oughta Know By Now』by レイ・ケネディ
『思い出は美しすぎて』(78年)、『みずいろの雨』(78年)の大ヒットで有名になった八神純子。
1980年4月から2ヶ月弱、アメリカのロサンゼルスに滞在し、
帰国後の7月21日にリリースしたシングルが『パープルタウン』です。
曲は、オリコン最高位2位、売上60万枚の大ヒットとなりました。
以前より曲調がパワフルになり、《アメリカ》を感じさせる楽曲です。
ところがところが…これって あの曲に似てない?という声が聞こえてきました。
レイ・ケネディが1980年にリリースしたアルバム『Ray Kennedy』(邦題『ロンリーガイ』)の1曲、
『You Oughta Know By Now』(邦題『ロンリーガイ』……ややこしい😅)に似てる……というのです。
確かに当時、「ん?」とは思いました。
《AOR》ブームでしたからね。
トニー・シュート、ボビー・コールドウェル、レイ・ケネディ、ディック・セント・ニクラウス、クリストファー・クロス……
人気ありましたもん。だから、既に《洋楽マニア》には噂になってました。
Wikipedia によると、
この曲は、前半はレイ・ケネディの「You Oughta Know By Now」(邦題:ロンリー・ガイ)のアレンジとメロディーラインの一部をベースに作曲され、
後半サビの部分は八神のオリジナルという構成であった。
しかし当初は『パープルタウン』の題名で発売され、
さらに初回プレス盤にはケネディの名がクレジットされていなかったため、
発売直後に「盗作ではないか」と騒ぎになった。
これに対して発売元のディスコメイトレコードは、ケネディから楽曲使用の許可を取っていることと、
原曲の権利関係が複雑な上にCM音源を急遽レコード化したことで手違いが生じたという事情を説明した。
再プレス盤からはタイトルに原題「You Oughta Know By Now」が併記され、
ケネディら3人が追加でクレジットされたことで和解した。
こうして疑惑も晴れ、八神はこの曲で同年の『第31回NHK紅白歌合戦』に初出場を飾った。
と、書かれています。
現在の作詞作曲は、
作詞:三浦徳子
作曲:八神純子・Ray Kennedy・Jack Conrad・David Foster
編曲:大村雅朗
と、なって
曲も、『パープルタウン 〜You Oughta Know By Now〜』となってます。
もったいないですね。
日本航空・JALPAK「I LOVE NEWYORK キャンペーン」のCMソングに起用されましたが、
使用されたのは、八神純子の担当のサビの部分。
実にキャッチーで、いい感じなのに…
《つかみ》はレイ・ケネディでも、八神純子らしい素敵な曲です。
当時の八神純子のアメリカ滞在は、かなり《収穫》があったようなので、無罪!
《レイ・ケネディver. 歌詞》(参考程度に)
Here I am mesmerized
Livin′ in a world of broken dreams
Loneliness no finesse
Everywhere I turn it always seems
So why do I pretend
That I'm never comin′ back again
I know that it's not true
I'm comin′ home to you
You oughta know by now
Here I am
Waitin′ at the end of time for you
Ain't no fun
Never knowin′ really what to do
All alone am I
Lookin' out into an empty sky
The dreams I see for us
Turn into s○x and lust
You oughta know by now
You oughta know by now
I′ll never let you down
Whenever you're not around I′m sayin'
You oughta know by now
I'll never let you down
Here I am
Sittin′ on the road without a friend
Can′t get it up
So I'm gettin′ down tonight again
All alone am I
Waitin' for the days just to go by
Woman, can′t you see?
Please be there for me
You oughta know by now
You oughta know by now
I'll never let you down
Whenever you′re not around I'm sayin'
You oughta know by now
You oughta know by now
You oughta know by now
There ain′t no love to be found
Whenever you′re not around.
③④⑤
『シャワーな気分』by 田原俊彦(83年)
『バック・チャット』by クイーン(82年)……発売日 21 May 1982
『あの娘はスーパー・スター』by ビリー・スクワイア(82年)……発売日 July 23, 1982
『シャワーな気分』は、1983年5月18日にリリースされた田原俊彦の14作目のシングル。
作詞: 三浦徳子、作曲: 筒美京平、編曲: 大村雅朗。
は、は、は(笑)筒美京平先生じゃ あ~りませんか(笑)
ん?これも『パープルタウン』と同じ、編曲: 大村雅朗ジャマイカ!
ベスト・タッグチームですね(笑)
最初 聴いた時
「あっ!ビリー・スクワイアだ!」
と、思いました。
ビリー・スクワイアは、1970年代半ばに、ニューヨークでパイパーというバンドを結成しましたが、売れず
1980年にソロに転向し、
1981年に発表されたセカンド・アルバム『ドント・セイ・ノー』から、売れ出し、アメリカ国内だけで400万枚以上も売れました。
このアルバムのプロデューサーは、クイーンの『ザ・ゲーム』(80年)、『ホット・スペース』(82年)を手がけたドイツ人のラインハルト・マック。
本当はクイーンのブライアン・メイが頼まれたのだが忙しい為、マックがお勤めをしたというわけですね。
瓢箪から駒。
翌 1982年に『エモーションズ・イン・モーション』を発表し、これも全米チャートの5位にまで上昇しました。
アルバム・ジャケットは、あのアンディ・ウォーホールが担当!
このアルバムには、クィーンのフレディ・マーキュリーやドラマーのロジャー・テイラーも参加。
今回、ビリー・スクワイアの名前を忘れていて、
『シャワーな気分』の似てる曲で検索していたところ、《クイーン》の名前が……
「ん?『バック・チャット』?知らん』
て事で聴いてみたら
「あ~、なるほど」
といった次第。
ビリー・スクワイアのプロデューサー・サイドに《クイーン》がいて、後押ししていた……って事かな…
曲調に関連が出ましたね。
このクイーンの『バック・チャット』は、1982年8月9日にリリースされた10枚目のアルバム『ホット・スペース』に収録されています。
『バック・チャット (Back Chat)』の意味は、「生意気で厚かましい特に高慢な返事」
ブリティッシュ・ロックを歌謡曲に転じさせる筒美京平先生は、ホント素晴らしいですね。
⑥⑦⑧
『いとしのエリー』(79年)by サザンオールスターズ
『ユー・トート・ミー・ハウ・トゥ・スピーク・イン・ラヴ』(75年)by マリーナ・ショウ
《おまけセレクション》
『Ellie My Love』(89年)by レイ・チャールズ
『いとしのエリー』は、言わずと知れた名曲。
『勝手にシンドバッド』(78年)
(当時ヒットしていた沢田研二の「勝手にしやがれ」とピンク・レディーの「渚のシンドバッド」をくっつけたタイトル)
でデビューしたサザンオールスターズは、最初《色物》バンドと、思われてましたが
この『いとしのエリー』で、バンドとして《スーパースター》の道をあゆみはじめる事になります。
この名曲にインスパイアを与えた…と、思われるのが
マリーナ・ショウの75年作『フー・イズ・ジス・ビッチ、エニウェイ?』の中の1曲
『ユー・トート・ミー・ハウ・トゥ・スピーク・イン・ラヴ』です。
このアルバムは、ブルーノートレーベルからリリースされ、ジャズの歴史的名盤として知られているそうです。
松任谷正隆は原宿の輸入レコード店「メロディハウス」で『フー・イズ・ジス・ビッチ、エニウェイ?』を勧められて初めて聴き、
衝撃を受け、このレコードを何年間も毎日のように聴いてしまったと、Wikipedia に書いてありました。
名曲が名曲を呼んだと言えそうですね。
おまけの⑧曲目の『Ellie My Love』は、レイ・チャールズによる英語カバー曲。
サントリーウイスキー「ホワイト」のCMソングとして使用され
オリコンの集計で40.2万枚を記録するヒットとなり、
レイ・チャールズの作品としては日本での最大の売上となっているそうです。
《和田アキ子の師》レイ・チャールズを大ヒットさせる《桑田佳祐》……おそるべし😁
「YOU TAUGHT ME HOW TO SPEAK IN LOVE」歌詞
歌:Marlena Shaw
作詞:M.A.Leikin, A.Munson
作曲:M.A.Leikin, A.Munson
I know how to say 'Je amour'
I know how to say 'Je t'aime'
I've used a thousand phrases
Without any love in them
But your eyes
Always spring things I've never heard before
Now I don't need words any more
Oh cos' you taught me how to speak in love
Your kisses taught me how to speak in love
The sweetest language... that I know
Oh you taught me how to speak in love
And since you taught me how to speak in love
The things you'd never have to say
Oh say you love me so
(Say you love me)
While we're holdin' one another
And we're close to sleep in bed
Your fingers brush my cheek and say
That you want me again
All my life, I've been waitin' for the chance to see
The things your smile's been tellin' me
Oh cos' you taught me how to speak in love
Your kisses taught me how to speak in love
The sweetest language... that I know
Oh you taught me how to speak in love
And since you taught me how to speak in love
The things you'd never have to say
Oh say you love me so
(Say you love me)
Oh cos' you taught me how to speak in love
Your kisses taught me how to speak in love
The sweetest language... that I know
Oh you taught me how to speak in love
And since you taught me how to speak in love
The things you'd never have to say
Oh say you love me so
(Say you love me)
Why don't you say it
Hold me close and say it
Oh cos' you taught me how to speak in love
Your kisses taught me how to speak in love
The sweetest language... that I know
Oh you taught me how to speak in love
And since you taught me how to speak in love
The things you'd never have to say
Oh say you love me so
(Say you love me)
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