最近の邦楽で私が高く評価しているアーティストを集めてみた。マスコミ、テレビ局、タレント事務所のごり押しなしの素直な評価。
質実剛健、アイドル一切なし。ご容赦を。
《新しい時代の新しい音楽》を。戦後文壇の寵児 坂口安吾が戦前の文学を切り捨て、批評家 花田清輝を「新日本」に必要と評したことに因し、このキュレーションを「新日本J-POP特撰 Artist」と名ずく。
新しい日本に彼らのような人が埋もれていては困るのだ。
今回は、言わずもがなのサカナクションさんです。
『小説家には太宰治といふ才人があるが、いはば花田清輝は評論家のさういうタイプで、ダンディで才人だ。小説だと、まだ読者には分るけれども、評論となると却々分らないもので、たとへばポオの「ユウレカ」が日本に現れても、読者の大部分は相手にしないに相違ない。花田清輝はさういふ評論家です。
今度我観社といふところから「復興期の精神」といふ本をだした。マジメで意気で、類の少い名著なのだが、僕は然し、読者の多くは、ここに花田清輝のファンタジイを見るのみで、彼の傑れた生き方を見落してしまふのではないかと怖れる。』
『だが、これからは日本も変る。ケチな日本精神でなしに、世界の中の日本に生れ育つには、花田清輝などが埋もれてゐるやうでは話にならない。』
坂口安吾 『花田清輝論』 より
2018年初夏 著者
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