駄作だな……と、言う評価しか聞かないが
放っておけない……そうだ!サントラ大ヒットしたじゃないのよ!……な、作品にスポットライトを当てる《懐かシネマ 番外編》
そして、サントラが配信されてないなら、作ってしまおうホトトギス!な、プレイリストを目指します。
『カリブの熱い夜』『硝子の塔』『ラブ IN ニューヨーク』に続く第4弾は……
時は1977年、1本の映画が大ヒットしました。
『サタデー・ナイト・フィーバー』です。
1970年代のアメリカ社会を背景に、
《行き場のない青春のエネルギー》を
イタリア系青年が週末に通うディスコの場で、仲間との交流を通じて、大人へと成長していく。
後にトップスターになるジョン・トラボルタが主演し
『ドラキュラ』(79年)、『ウォー・ゲーム』(83年)など、《ブーム》を作り出す《卓越したセンス》の監督ジョン・バダム。
ソフト・ロックから、ディスコサウンドに転換を計ったビージーズ。
才能が結集した『サタデー・ナイト・フィーバー』は世界中で大ヒットしました。
これを黙って見ている映画界(音楽界含む)ではありません。
当事カサブランカ・レコードの社長だったニール・ボガートが、モータウンと手を組んで製作した青春ディスコ・ムービー。
それが『 Thank God It's Friday 』(邦題『イッツ・フライデー』)です。
1973年、ニール・ボガート、セシル・ホルムズ、ラリー・ハリス、バック・ラインゴールドの4人がワーナー・ブラザース・レコードからの出資を受けて設立された《カサブランカ・レコード》。
ロサンゼルスを拠点とし、キッス(Kiss)を最初の所属アーチストとして育てました。
その後 ディスコに注目し、
ドナ・サマーやビレッジ・ピープルやパーラメントなどのヒッ・トメーカーを世に送り出し、
「70年代に最も成功したレコード会社」といわれるようになります。
ニール・ボガートは、楽曲制作からプロモーションまでなんでもこなし、
まだMTV(音楽専門テレビ)がない時代にアーチストのプロモーションビデオを撮ってラジオ局やテレビ局にどんどん売り込みました。
音楽業界の大きなパーティーがあると必ず顔を出していたほか、自分でも大規模なイベントを次々と打ち出し、PRに余念がありません。
そんなニールが、カサブランカのディスコ(特にドナ・サマーの曲)をヒットさせるべく製作したのが『サンク・ゴッド・イッツ・フライデー』です。
ロサンジェルスのハリウッドにあるディスコ『ザ・ズー』には、今夜もDJのボビー(レイ・ヴィット)の声が響いていた。
今夜はビッグ・ダンス・コンテストが行なわれる日なのだ。
ポルシェを乗り回す オーナーのトニー(ジェフ・ゴールドブラム)もノリノリだ。
5回目の結婚記念日を迎えたデイブ(マーク・ロナウ)と妻のスー(アンドレア・ハワード)、
ヒッチハイクでやって来た15歳の女の子たち、フラニー(バレリー・ランズバーグ)とジーニー(テリー・ナン)、
美しく才能のあるシンガー、ニコル(ドナ・サマー)、
ダンスよりボーイハントが目当てのOLジェニファー(デブラ・ウィンガー)とマディ(ロビン・メンケン)、
クールな大学生カール(ポール・ジャバラ)とケン(ジョン・フリードリック)など、
まだまだ沢山の若者たちが『ザ・ズー』に押しかけ、ザ・コモドアーズの演奏の中、優勝をめざして踊り競うのだった……
まだ、主役クラスでない頃の『インデペンデンス・デイ』のジェフ・ゴールドブラムや、『愛と青春の旅だち』のデブラ・ウィンガーも出ています。
「『サタデー・ナイト・フィーバー』が土曜日だから、
1日前の金曜日の方が、もっと盛り上がる!
フィーバーすんのは、アフリカ系アメリカ人も一緒だ~!
うん、これで行こう!」
こんな感じで、製作が決まったような気がしちゃいますよね😅
なんたって『13日の金曜日』(80年)がヒットすれば、
13日の金曜日は凶。
14日の土曜日は大凶!!
をキャッチコピーにして
『14日の土曜日』(81年)なんて映画が出来る世の中。
この『イッツ・フライデー』のサウンドトラックは、多くの人気ディスコソングを含み、劇場公開の6週間前にリリースされました。
2枚組LP+30cmシングルで、収録曲は、
Thank God It's Friday《soundtrack data》
A-1 Thank God It's Friday/Love And Kisses
A-2 After Dark/Patti Brooks
A-3 With Your Love/Donna Summer
A-4 Last Dance/Donna Summer
B-1 Disco Queen/Paul Jabara
B-2 Find My Way/Cameo
B-3 Too Hot Ta Trot/The Commodores
B-4 Leatherman's Thene/Wright Bros.Flying Machine
B-5 I Wanna Dance/Marathon
C-1 Take It To Tha Zoo/Sunshine
C-2 Sevilla Nights/Santa Esmeralda
C-3 You're The Most Precious Thing In My Life/Love And Kisses
D-1 Do You Want The Real Thing/D.C.LaRue
D-2 Trapped In A Stairway/Paul Jabara
D-3 Floyd's Theme/Natural Juices
D-4 Lovin' Livin' And Givin' /Diana Ross
D-5 Love Masterpiece/Thelma Houston
D-6 Last Dance(Reprise)/Donna Summer
E-1 Je T'aime(Moi Non Plus)/Donna Summer
チャートデータ
アルバム
Pop 10位/R&B 6位
シングル
Donna Summer「Last Dance」:POP 3位/R&B 5位
The Commodores「Too Hot Ta Trot」:POP 24位/R&B 1位
Love And Kisses「Thank God It's Friday」:POP 22位/R&B 23位
製作費は、220万ドル
1978年5月19日 全米公開で、
(ちなみに日本公開日は、1978年8月26日)
ボックスオフィスは 730万ドルだから、まぁ、ちゃんと儲けが出てると言えます。
しかし、批評はボロクソ ⤵
エミー賞にもノミネートされたアメリカ合衆国の映画評論家、テレビ司会者、作家のロジャー・イーバートは、
この映画を4つ星のうち1.5つ星と評価し、
「説明すると、見るよりもずっと楽しいように聞こえます」と書いています。
ジーン・シスケル<シカゴトリビューン>は、この映画に同じ1.5つ星の評価を与え、
「悲惨なレコードプロモーションに過ぎないディスコ映画...」
と、評してます。
映画評論家レオナルド・モルティンこの映画を
「bomb」と評価しました。
彼は、「アカデミー賞を受賞した(アカデミー歌曲賞)、おそらく史上最悪の映画だ」と書きました。
この映画の主題歌『 Last Dance 』はアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞を受賞し、
ロサンゼルスのシュライン・オディトリアムで開催された第21回グラミー賞で、
ポール・ジャバラとドナ・サマーはともにその功績が讃えられることとなりました。
ポール・ジャバラは作曲家として最優秀リズム&ブルース楽曲賞を受賞し、
ドナ・サマーは最優秀R&Bパフォーマンス賞の女性部門を受賞しました。
て事は、ドナ・サマーの売り出しには成功したみたいですね。
しかし、ドナ・サマーは《売り出してやりたい!》と、業界人が思うオーラがあるんでしょうね。
後にカサブランカ・レコードは、新興映画会社のFilmworks Inc.と統合され、
新たにカサブランカ・レコード・アンド・フィルムワークス (Casablanca Record and Filmworks, Inc.)となり、
会長職についた《悪名高き》ピーター・グーバーが、
『JAWS』の原作者のピーター・ベンチリー作『ザ・ディープ』の映画化の際に
主題歌をドナ・サマーにやらせたくて、
スコアをジョン・ウィリアムズから、《007シリーズ》で歌曲に実績のあるジョン・バリーに変えたくらいだから。
やっぱり、ドナ・サマーって良いですね!
……って、水野晴郎バリに締めくくっておきます😅
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