伏せた手札に愛はあって 一枚出したそれは恋で 二枚揃う手前で今夜も終わらせる ゲームだと笑うならどうして こんなにも必死で隠すの? こじつけた一枚を今夜も重ね合う 言い訳に似ていた でも嘘じゃなかった 狭い部屋じゃ隠しきれないから 本当は互いにわかっていて でも知らない振りで 手の先をかすめてく 優しさなんかここになかった 身勝手なもんさ 望まれたくなんかないのに 何故か君を考えるときはいつだって 紙で切った指が痛くなる 「お客さんには手出すな! もしも出したいなら 手だけじゃなくて体全部丸ごと 全体重を乗っけて愛せよ」 バンドの先輩が言っていたけど 愛とか言われたって 俺にはよくわかんないや 誰も彼も都合よくつかってるけど 最後にそれが飾られて歌われた歌は どれもこれも俺には 同じに聞こえてたよ 凄くいい子だよ 嫌いじゃないよ だけどさ 恋人っていうのは なんかちょっと違うかも そもそもギターケース以上に 重たいものを背負える自信がないよ ちゃんとはっきりもう会えない って言える程 強い人間じゃなくて 嘘で好きだと言えてしまう程 どうでもいいわけじゃない 二人よく似ていた それが切なかった 孤独の上に重ねた孤独は 実は少し形が違うから 歯痒いズレがまた二人を離さない どうでもいいわけじゃないとか 都合のいい愛を使ってみても 何故か君を考えるときはいつだって 紙で切った指が痛くなる