白い櫻舞い散る微熱を含む落日 小さなこの部屋で泣いたり笑ったり そよぐ風が攫った季節はまた違う彩 り添えて バイバイ 割れたレンズの中で風に踊ってゆや りと櫻が咲く 瞼閉じれば底であの日の君を混ざっ て降り注いで 曇ったガラス窓に指先で綴る声が 水滴に浮かんでは刹那に消えて ポツリと胸に残るパズルピースの跡 は色褪せて瘡蓋になる 「ずっとずっと手を繋いでいて」「 そっとそっと咲いていようね」 約束は木漏れ日を浴びて花壇に溶け た 欠けたキオクの中で時計仕掛けの心 は涙が咲く 瞼閉じれば底であの日の花と混ざっ て降り注いで いつもの帰り道で胸にぼんやり響く 追い掛ける背伸びした足音 ゆらゆら陽炎に君の後ろ姿がぼやけ て滲んで飴玉みたいに溶けた 儚く零れてく幸せを掴もうとしたけ ど掌擦り抜けてく 「ずっとずっと手を繋いでいて」「 そっとそっと咲いていようね」 約束は木漏れ日を浴びて消えた… 白い櫻舞い散る微熱を含む落日 小さなこの部屋で泣いたり笑ったり そよぐ風が攫った季節はまた違う彩 り添えて バイバイ 割れたレンズの中で風に踊ってゆら りと櫻が咲く 瞼閉じれば底であの日の君と混ざっ て降り注いで 穏やかな想い出と小窓から覗いた花 鮮やかに咲き乱れて万華鏡みたいに 降り注いで