「あいつがなぜ 山に行ったかわかるか?」 よくぼうがすべて悪かった 止められそうにないあこがれ 消防自動車がすきで 水を放つところを見たかった 火をつけたら何もかも飛んで 静かに煮立って 毎日が蒸発していつしか消えて かがやくあいつのひとみには いつまでも火が映って 母親は彼に恋をしてた 毎日くつを磨いて待った 生活が荒れないように 生け垣のばらを摘んで 乾かしてとげを抜いた ひだりに曲がった小指を見つめて 静かに煮立って 毎日が蒸発していつしか消えて かがやくあいつのひとみを やさしく撫でて 静かに煮立って 毎日が蒸発していつしか消えて かがやくあいつのひとみには いつまでも火が映って