細く白い指、眼光は赫。 夜に実るのは、禁断の果実。 ああ、静かな夜と純潔、淡い声色。 貴方は今囁いた。 「愛しているのだ。」と甘い声。 悲しい結末を今始めましょう。 赫い雫舐めて牙を見せ咲う 黒髪の怪物の名は、 接吻をした後教えてあげるわ。 だから、今は、此の儘で居て。 <♪> 闇に溶け込んだ隠世の味。 錆びた鉄格子、閉じ込められた。 躰。 助けを求めても、その聲届かず。 甚振られるのはどんな気持ちなの。 ああ、静かな夜と純潔、淡い声色。 貴方はまた繰り返す。 「愛しているのだ。」と甘い声。 ゆらりと、黒い外套を飜えす。 <♪> 呪縛に苛まれ、人に恐れられ、 孤独の中、幸せを願う。 人を愛したい、と。 恋をしたい、と。 ────私を愛して。 赫い雫舐めて牙を見せ咲う 黒髪の怪物の名は、 接吻をした後教えてあげるわ。 だから、離さないでいて。 貴方は、私を、 心から、愛してくれるの? それなら怖がらず聞いて。 私の名は───。 「 」