終電をわざと乗り過ごした後 消えていく街灯りに ボロいスニーカー 静かに響く足音を聞いてた 見知らぬ女に金を出す父親 会話のない大きな家 息を詰めてる家族の中で 悩みなど言えない 菜の花の線路 雲は低く伸びて 耳を澄ませば風の音が 呼び止めた たくさんの傷を刻む この背中には僕の 心の痛みが今も 残っている 一人見上げる悲しみ フェンスを越えて忍び込む学校 タバコ加えて眺めた 小さな僕の後姿が 情けなくよみがえる 教室の隅で 一人下を向いて 机の落書を涙で 掻き消した ランドセル振り回され 転んだ膝は今も まだ石が指に触れる 弱いだけの僕を誰か抱きしめて 小銭がなくなるまで飲んだビール 喉を通り過ぎる思い出 味わって 少しずつ明けてく空 歪んだ景色はそう 逃げ出そうとする僕を 包み込むよ どんな傷も悲しみも 勇気になる 僕の足音よ響け