夕暮れと 蝉の声 街が騒ぎ出すほど 季節は色づいて きっと魔法にかかっている 君の声 あの笑顔 何度も思い出すほど 大人に変わったんだ ふと胸に手を当てる 「あのね…」 繰り返していた どうせ言えないのに 心を動かした夏色の衝動が 終わる前に 今 夏の光が君を奪った 追いかける風に心躍った 反射する汗に瞳眩んだ 「もう少しだけ もう少しまだ…」 夏の嵐が背中を突いた 君に伝える言葉は何だ? 喧噪が僕の場所を奪った 「君のせいだ…君のせいだ…」 止まらない鼓動 耳を揺らすから 少しだけ息を戻した 子供のまま 君がくれた輝きは 全部返したいから あとは一つだけ 雑踏の声が掻き消す前に 今 夏の光が君を奪った 追いかける風に心躍った 反射する汗に瞳眩んだ 「確かめたい 今ならまだ…」 君の視線が僕を揺らした 喧噪はすでに静まり去った 放した声は光になった 「君のことが…君のことが…」 激しく鼓動 搔き鳴らしたら 少しだけ大人になった 裸足のまま