花はその宿命に咲いているから 散りゆく姿さえまた美しいの 鳥はその瞳に海を写して 遠い陸を目指し一途に飛ぶの 風はあてなどなく吹いているのに なぜこの想いだけ 胸に残るの 月が昼の空に 隠れるように ひとり息を潜め 夜を待ってたの 足並みがぶつかる交差点 点滅信号に急かされるように 何もなかったような顔をして 昨日の涙を 今日に溶かす 通り過ぎてゆくあの人も この痛みを知っているはずでしょ どうしてそんなふうに笑えるの ずっとずっと わからなかったけど 花はその宿命に咲いているから 散りゆく姿さえまた美しいの 鳥はその瞳に海を写して 遠い陸を目指し一途に飛ぶの 人はその宿命に生きてゆくから 悲しみも涙も また美しいの