沈めたつま先は心まで冷やしてく 悲しみの温度は思うより 心地悪くはないよ 飾らぬ貴方の影にもいっそ逆らって 記憶の海すら懐かしんで泳いでいく 掛け違った誓いなど 丸めて引き潮の何処かへ 乾き切った関係も きっと海に溶けてく 貴方を知ったあの夏も 燃やした命も全て 波が消すまで眺めたら さよならいつか 思い出すまで 好きなふり演じてた深煎りの ブラックに 番いのカップの片割れと 独りで浸ってるけど 久方ぶりに 真白い想いを零して息を吸う 舞い上がった期待ほど 波風さらっていくけど 潮辛く残る舌の砂さえ 愛しく覚えていた 愛し合った時代ほど 色褪せて 海へ帰ってゆく 今になってはきっと二人は 儚く滲む小舟を追うことすら 叶わない 煌めいたあの夏の日の 寄り添い散っていった閃光花よ 記憶の海でせめて鮮やかに残れ