6月の雨降る夜 窓に映る濡れた街は 僕の隣夢見る君を 連れ去っていってしまうような 気がしていた 降り続く雨が 止む頃に僕たちは 最後の夏の輪郭を思い出していく 会えない夜は 二人の記憶が遠ざかってく 夏の暑さが君の体温と交わって 目を閉じていた君の細い手を握り 返す ねぇ僕はこの気持ちの正体を 知りたいみたいだ 悲しいなんて言った君の声は 願っても聞けなくて 知り過ぎてくたびに虚しくなるんだ 思い出した冬の記憶 下らない映画も 懐かしいと笑う君のまだ 知らない顔を僕に見して 手を振っていた 無意識に上げた右手を 朝になると違う服に 着替えた君は言うまたねって 目を逸らしていた 朝は君を街へ連れ去ってく ねぇ君はこの気持ちの 正体に気付いていたのかな