季節が変わるころ 僕はまた引っ越した 似たような沿線の 少し広い部屋へと あの人は泣きじゃくってた どうしても越すのねと 部屋を変えるたびに 思い出を捨ててゆく あの人の手紙が 部屋の隅に残った 「やり直したい 忘れられない」揺れる文字が懐かしい 東京で暮らし出して もう何度越しただろう 別れるたび 部屋を変えたのに 心は未だ越せず 夕日が沈む街 あの人は暮らしてた 名字が変わったと 人伝に聞いていた 早く誰か見つけなさいねと 振り向かずにそう告げた 東京を愛せない 東京がとてもにくい 別れるたび 部屋を変えたのに 心は未だ越せず