土曜の午後には いつもピアノを弾いてた 夢はまだ あの雲より ずっと遠くにみえてた おしろい花の咲く空地に 夕陽が落ちてゆくのを いつまでもぼんやり ながめていた なつかしいあの場所で わらって手をふるのは 半分も生きないで 夏といっしょに逝ったひと 全てを燃やしつくすほど 今は生きていたいと思う もしもたったひとつでも できることがあるなら だからここに座って うたっていよう ちょうど小さな手のひらに 包めるくらいのうたを わたしに明日が来るように 光の中 眠れるように 見知らぬ誰かのこころに届くように 土曜の午後には いつもピアノを弾いてた 夢はまだ あの雲より ずっと遠くにみえてた