糸電話みたいな恋でした 近づきすぎたら聴こえない 離れすぎたら切れてしまう 不器用な恋でした 出始めのポインセチアの 天鵞絨のような紅の鉢植を 小脇に抱えて立っていた 人なつこいあなたの笑顔 肩に降りつもる ぼたん雪の白 澄んだあなたの茶色の瞳 多分あの時にあなたを 愛したいと思った 風ひといろ 吹き抜け 時代遅れの恋人たちは もどかしい位 小さな歩巾で 歩き出そうとしてた 糸電話みたいな恋でした 近づきすぎたら聴こえない 離れすぎたら切れてしまう 不器用な恋でした 故郷へ帰る夜汽車で 息を殺して泣き続けた 数え切れない程のさよならを あの町に置き去りにした あなたを失くしたあの頃に 流行っていた悲しい唄を 掌でなつかしむ程 嘘はつけないけれど 夢ひといろ 駆け抜け 季節はずれの旅人たちは 愛は愛として 傷は傷として 抱きしめられるようになった 糸電話みたいな恋でした 近づきすぎたら聴こえない 離れすぎたら切れてしまう 不器用な恋でした