風の止まった海に ガラスの船がうかぶ 夕日に帆を広げて 空を落ちてくる おしゃべり好きな 古いバスの 肩にもたれて ひとり 窓を開ければ 夏のてのひらにつつまれた あなたの歌がよみがえる 渚を走る雲の道で ふたつのこころ出会っていた 草をかむたび胸に 魚の群が遊ぶ 閉じた日記の中で そっとすきとおる あかりをゆらし 走るバスは 遠い街へと 帰る あの日ふたりが 言葉にできずに抱きしめた 空の高さを忘れない 岬をまわる鳥の影に もう一度 ふりむき手を振る 夏のてのひらに守られて 海のむこうを夢見てた 渚を走る雲の影が ふたつのこころふるわせてた