夜明けがくるまえに 飲み干すワイングラス きのうまでのことは ぶどう色に溶けていく 窓ぎわの花びん はじめてみたのに もっと前からも 知ってる気がした 通り雨はあまりにも冷たすぎるから あなたとのこと 曇り空の下から 迎えに行きたい 木の葉のように 街角に灯った 月夜と木綿のランプ 眠りよりもずっと 遠いところへ連れて行く 道ばたに転がる 片手の手袋 去ってゆく人を 見送り 手を振る 通り雨はあまりにも冷たすぎるから あなたのこと曇り空の下から 迎えに行きたい それともまだ 通り雨が降る前に 扉をあけたら あなたのいる夜明けの前の空の下 舞い込んで行ける? 木の葉のように