秋はナー 八十八(はちじゅうはち)の 手間(てま)暇(ひま)かけて 米は黄金(こがね)の 穂(ほ)が実る わが子手塩(てしお)に 掛(か)けてはみても さすが倅(せがれ)だ なじょにもならぬ ハァー遥(はる)か見えるは 佐渡(さど)の島 赤い夕陽の 越後平野 里はナー 名もない川に どじょっコふなっコ 谷を下れば 信濃(しなの)川(がわ) 俺の嫁コは 雪より白い こころ美人が 自慢(じまん)のひとつ ハァー爺(じ)さま婆(ば)さまも 夢ン中 風もうたた寝 越後平野 北国(きた)はナー 秋から冬へ 季節は近い 雪よお米に なって降れ 天日(てんぴ)干(ぼ)しした 塩鮭(しおじゃけ)噛(か)んで 親父 熱燗(あつかん) 囲炉裏(いろり)でちびり ハァー遠くそびえる 弥彦山(やひこやま) おらがふる里 越後平野