締め切ったシャッター 白けた店の看板 背中の曲がった 眼鏡のおじちゃま 0時をすぎる頃 モノクロームの影は 密かに踊りだす 煌びやかな記憶を纏い 鏡の壁に 迷い込んだオウムは 小さな私に ご挨拶をくれました 赤いベルベットのソファーに 焼け落ちた タバコの穴 こっそり忍ばせた 淡い憧れ コーンスープの味と 初めて聴いたJAZZの音 思わず鳴らした エナメルのつま先 「お利口さんね」と もらったキャンディーは コートのポケットで 溶けていた 品のよさそうなマダムは おじちゃまと仲良しで 新聞を読む紳士は まるで上の空 愛の行方は人知れず それを愉しむように ツンと薫る “N°5” 酔いそうな 昼下がり 赤いベルベットのソファーに 焼け落ちた タバコの穴 こっそり忍ばせた 淡い憧れ コーンスープの味と 初めて聴いたJAZZの音 思わず鳴らした エナメルのつま先