ぬるくなった魚のような 目をしている 強すぎる光でかぶれて腐っていく あなたのこと見かねて むかえに来た獣 自己の紹介です 唇のすき間から酒をこぼしたり 味のしない肉をただ噛んでいる 遠慮がちな墓に成りさがってゆく屍 意識は朦朧としてるかい 首輪の内側には棘が刺さっている 動くたびに深く食いこみ抉っていく 金にできる石や紐とかは もう何にも無い コインを貸してあげる 唾飛ばしてめくった カードの柄は変わらない 爪食いこむ前足そっくりの 生き物のこと図鑑で読んだわ 地球の裏 25グラムの嘘 静かな虚無 奥深くまで落ちて行きましょう 乱れの無い計測機器が 捉えるのは醜い人 とうとう やめることも逃げることも 出来ぬままで 心の臓を切り売りして 生きてきたでしょう 口移しの毒を飲み込んで それでもまだ死ねない 生命体ですにゃあ 薬指にはめたそのゴミは何の証 永く曖昧で 組み上げたミルクパズルの 絵のような話 また鳴り響いた 体じゅうが穴だらけ 血をこぼしている しばりつけた足先を ただよじったって 質量をもつ幸福の鎖がもう消えない コインを貸してあげる ふくれてははじけた 糸と針でつないだ 耳元へと吹きかけた甘い息 呪いの音 終わらせないでね 近づかないでね 都合のいい見た目をして 都合のいいことを喋る けだものを求めたけだもの 乱れの無い計測機器が 捉えるのは気持ち悪い人 ここはダメだ 居られないと 分かりながらそれでもまだ 魂があると言い張るの 口移しの毒を吐き出して 逃げたのは 底のない 暗い世界ですにゃあ 唾飛ばしてめくった カードの柄もう読めない 爪食いこむ前足そっくりの 生き物のこと図鑑で読んだわ 地球の裏 25グラムの嘘 消えない頭痛と 深くまで堕ちて行きましょう 汚れた愛 汚れた意志が捕らえるのは 知らない人だけ ずっと泣いてずっと泣いて ずっとずっと泣いてずっと泣いて ずっと生きていくでしょう その体 土に還ろうと それでもまだ死ねない そういう選択だ