でもね 雨が降り出す匂いは とても好きよ ビルの屋根で猫がワインこぼした だけど傘は持たず 迎えに来て欲しくて 祈りこめて髪を何度も梳かした 愛されるってまごつくけど 月がこぼした涙のように たおやかに今夜 夢を見るのよ ひとりきりと ひとりきりが 胸、弾ませ うんと、お洒落して タバコが点かなくて 苛立つ顔が好きよ 濡れた傘をたたむ 細い指先も 「愛してる」って云わなくても ワインの酔を そのポケットに忍ばせてあげる ほら踊りましょう ふたりきりで ふたりきりの もどかしさを ぎゅっと、抱きしめて 小さな夜空が覗いてる 「星が見たいね」って呟く あなたは 困らせ上手ね 時にはまた長い眠りと森の深さが 恋しくなるかもしれないけど 朝が来るまで ひとりきりと ひとりきりが ふたりきりで 街に出るのよ 胸、弾ませ うんと、お洒落して