足りない記憶 涙で隠した 最後の嘘に 気づかないように 気づいてしまわぬように 幻みたいな 一夏の恋を 歌にして 綺麗に飾れば 忘れられるはずだった 君の声が、匂いが、記憶が 色褪せずに残っているうちは まだもう少しだけここにいさせて 子供みたいに自分の傷を確かめさせ て 途方もない未来がただ続いていく こんなふうに大袈裟に言えば 救われるような気がしてた あの日君と見た映画のオチが 今頃になってしっくりきた あの時にちゃんとわかっていられた ら 僕らはどんな結末を迎えてたんだろ う 何もかも満たされないこの世界で 君がいればそれでよかった なのにいつからか君に君以上を求め ていた 乾いた空気と冷ややかな風が 茹だるような熱を冷ましていく まだもう少しだけ夏でいさせて