「あの子ってかわいそうだよね」 いつも陰で笑っていた くだらない服 くだらない話 くだらない笑顔 「ああはなりたくないね」と話してた 「あの子ってかわいそうだよね」 いつも馬鹿にして見ていた 平凡な夢 平凡な爪 平凡な恋人 どこにでもあるものなど欲しくなかった 選ばれた女であるためには 孤独さえ愛した だけどクローゼットの中には2年前のワンピース あたしにしか出来ないことなど 何ひとつなかった からっぽなのは誰でもなく この無様なあたし かわいそうなのは あの子じゃなく ああ あたしだった 「あの子ってかわいそうだよね」 いつも上から眺めていた ありがちな趣味 ありがちな部屋 ありがちな写真 「ああはなりたくないね」と話してた 「あの子ってかわいそうだよね」鏡の中で呟いてた 正しい嘘 正しい過去 正しい強がり どこにでもある道だけ 避けて歩いた あの頃のあたしがあたしを見て 何を思うだろう だけど クローゼットにはあたしを飾る布切れだらけ あたしにしか出来ないことなど 何ひとつなかった からっぽなのは誰でもなく このみじめなあたし かわいそうなのは あの子じゃなく ああ あたしだった クローゼットの中には2年前のワンピース あたしにしか出来ないことなど 何ひとつなかった からっぽなのは誰でもなく この無様なあたし かわいそうなのは あの子じゃなく ああ… あたしの心の中には こぼれ落ちたあなた あたしにしか出来ないことなど 何ひとつなかった 越えられない夜にひとりきり 床のホコリを見てた かわいそうなのは あの子じゃなく ああ あたしだった あたしって かわいそうだよね