麦わらを 首にさげ 赤とんぼ 追いかけた土手に 野辺送りの長い列 さよなら じいちゃん 鐘の音が鳴る 花咲くふるさとに 星が落ちて みんな 真白き百合を抱いて 春風の中を 歩く むずかる幼子の手 引いている姉さんの 胸の 光る真珠の飾りに ロウソクの灯と 夕焼けの色 貧しいこの町の 澄んだ空を 僕は いつでも思い出した ビルのすき間から 見上げて それぞれの冬の寒さを みんな 隠している 花咲くふるさとに 星が落ちて 僕は 真白き百合を抱いて じいちゃんの笑顔 たぐる 覚えてるよ 青い空を 僕は 忘れず暮している つかの間の夏の空を