片目瞑って 笑っても ビルの風に吹き消され 右巻き目のカタツムリ 夕暮れ空、滲んでく瞬いてく。 自由も 不自由も無いこの場所で 街は、人々の息で蒸し返してる 色褪せて、雨ざらしになってった夢 いつしか、馴染んでた。 所在無く羽降ろしたアゲハ蝶 切り落とした腕探す、カマキリの唄 笑わないで、笑ってみて。 触らないで、笑ってたいよ。 片目瞑って 笑っても ビルの風に吹き消され 右巻き目のカタツムリ 夕暮れ空、滲んでく瞬いてく。 哀しい目をした人がたたずんでた 小さく、何かの唄を口ずさみつつ 僕は、素知らぬふりで通り過ぎる 心が、また染まる・・・。 誰かの帰り待つカゲロウ 足元でうずくまる、 老いたカブトムシ いつかきっと、そのうちきっと、 僕じゃなくて、誰かきっと・・・ ぬるい雫 頬伝い オレンジ空 落ちて行く 右巻き目の カタツムリ やがて夜が来るだろう。 ランランラララン・・・ 片目塞いで唄っては 心照らし、喉枯らし 殻を捨てたカタツムリ 夕日の街、溶けて行く瞬いてく。