砂の海で 錆びたシャベルを持って まるで闘う様に 夢を掘る人 赤く燃える太陽に 身を焼かれても 必死で 這い上がろうとする 愛する人の 命に値がついた そこら中に頭を下げても 足りなくて 石油でも掘る以外 無いんじゃないのって 皮肉を 本気にして飛び出した でも 掘り出したのは 長い年月 Sir Destiny あんた 人の命を転がして 大層楽しいだろう 笑えよ 見ているんだろう この俺がジタバタ踠いてるのを 死んだ街で 夜のドレス纏って 作り話の様な愛を 売らされる人 誰かの胸に腕に 身を預けても 心は ただ一人を待つ 愛するあの人は 優しく嘘をついた 二人は大丈夫 明日を信じて待っていてくれ 信じられる要素なんて どこにあるのって 思いながらも その言葉を おまじないの様に 呟き続けた 長い年月 Sir Destiny あなたでも この気持ちは動かせないでしょう 幾度目の朝も 変わらず 優しいあの嘘を 思い出している 夢を掘る人 それを待つ人 定めよりも 互いを信じていた とある街の小さな教会で 優しい長生きおばあさんが 眠りについた ろくに動けなくなってからも 毎朝 何かを呟いて 微笑んだ 砂の海で 折れたシャベルを持って 作り話の様な 夢を掘る人 刻まれた皺の奥の 瞳は未だ 必死で ただ 必死で 掘り出したのは Sir Destiny あんた 俺を見ているか もう飽きたなんて 言わせないぞ 今にも 夢を掘り出して 見事悔しがらせてやる Sir Destiny 俺の夢って何だったっけ 何が ここまで俺を動かして いたんだっけ 大事な何かを 待たせていた様な 夢を掘る人 それを待つ人 幾つもの夜を 乗り越えた嘘