目の前にあるのは一枚の紙 気付けば楽しい季節も終わり 誰かがこの紙を持ってきた 何のへんてつもないこの紙の上に 私の歴史が入るわけないのに ためしに書けるだけ書いてみよう 別になにひとつ 目新しくない 育ったのは郊外の街 多感な兄弟 選択の余地などあるはずもない小学校 親と家庭の事情で選ばれた中学校 それを引き継いでいるような高校 いつだって点数もみんなと同等 思えば大人が決めてきた方向 私に何が選べたのだろう 書けと言われて書いてみたら 味気ない人生に見えてきたが 私は知ってる、こんなんじゃない 流した汗がここには載ってない 書き込めないものが多すぎる 人を愛した記憶、いつか果たしたい夢 書き取れないものこそがmy life だれにも似てない私の道 資格の欄がだいぶ大きいもんだ、と 困ったのは一瞬のこと 別に痛くない 私はまず私であるということが無敵の資格 足りないのは これから補えばいい 書き込めないものが多すぎる 人を愛した記憶、いつか果たしたい夢 書き取れないものこそがmy life だれにも似てない私の道 いつか偉大な大人になるんだと 決めてた小さい私は遠い過去 社会はツワモノどもが夢の跡 でも昔よりひらいた心の窓 履歴書書くなんてムリムリ… 紙にとじこめるなんてムリムリ… 決められた形式にはとてもムリ 一年を一行だなんてムリムリ… 書き込めないものが多すぎる 人を愛した記憶、いつか果たしたい夢 書き取れないものこそがmy life だれにも似てない私の道