空き缶だらけのゴミ捨て場で 彼女と腰を振る夢を見た 飲み干して見えたのはデマゴーグ 低い純度 安っぽいエタノール 目を覚ます度に薄まる記憶は 遠くなる 遠のいていく 痛みを感じないのは 強がりじゃないし "未来は不確か" なんて尚更言いたくもない 死体のように暮らした 昔に意味なんてないし 蓋したアルコールランプに火が点く あの星の輝きも蛇の道を行く蛇も 釈迦の手のひらの上 飲み下した幸せも彼女の涙さえも 釈迦の手のひらの上 零した分だけ少なくなる 液体に似た気体のようなそれは どれだけ完璧に掬っても 戻れない幕切れの停留所 "愛しささえもくすんで見えるの" 漏れなく 吸い取ったはずのスポンジが 色気なく飾り付けるイリュージョン 苦味の無い遊びならする気もないし 被害者ぶったガキなら相手する 暇もない 誓いを契って守れる 決まりなんてないし 楔が穿たれた胸の辺りを撫でる あの星の輝きも微睡みを抱く街も 釈迦の手のひらの上 伝えそびれた言葉も待ち 惚けの夕陽も 釈迦の手のひらの上 幻を見た春も過去を捨てた真冬も 釈迦の手のひらの上 安らぎに満ちた寝顔も届くはず 無い望みも 釈迦の手のひらの上 不安を取り除く手立てが 見付からないよ 不安を取り除く手立てが 見付からないよ 不安を取り除く手立てが 見付からないなら せめて踊ればいいさ 釈迦の手のひらの上で